「児童ポルノ法」が改正されようとしている。子どもが性的虐待にさらされる事件は根絶されるべきだが、行われようとする改正は違う方向を向いているように思えてならない。
人間の行動を規制するために、さまざまな法が存在する。法は、不特定多数の人の行動に社会が立ち入る大変な権力である。だが社会的権力を持った人というのはその力を試したいのか、あるいは規制するのは簡単だと思っているフシがあるのか、次々にへんてこな規制を持ち出してくる例が後を絶たない。
すでにネット上の有識者の間で問題の指摘が始まっているところだが、3月11日から始まった「なくそう!子どもポルノ」キャンペーン(アニメ・漫画・ゲームも「準児童ポルノ」として違法化訴えるキャンペーン MSとヤフーが賛同)も、そんな匂いのする動きである。この運動を通して「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、いわゆる「児童ポルノ法」が改正されようとしている。
改正のポイントは2つ。
1 現行法が禁じていない単純所持も違法化・処罰の対象にすること
2 被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したものを「準児童ポルノ」として違法化すること
この改正案をなかなか正面から問題視できないのは、規制肯定側が「だって児童ポルノってダメでしょ絶対!」という絶対正義のベールに包まれており、これに反対することは問題の本質にたどり着く前に「規制されるとお前が困るんだろう」、「この変態野郎め死ネ」的な目で見られるからである。なかなか独身男性には踏み込めない領域であろう。
まあ筆者は既婚者だから、あるいは子供がいるからロリコンじゃないという言い訳にはならないかもしれないが、筆者は自分の子供たちを愛しているし、守りたいと思っている点は事実だ。実際の子供が性的虐待にさらされる事件はなくさなければならない。だがその方法論としてこの規制でいいのかという点を、少し考えてみたい。
エロゲーム規制や児童ポルノ禁止法に関するニュース記事を集めました。
2008年11月22日土曜日
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