エロゲーム規制や児童ポルノ禁止法に関するニュース記事を集めました。

2008年10月25日土曜日

シンポジウムでの同人誌生活文化総合研究所の報告

「研究会」は2006年4月10日に、警察庁の生活安全局長の諮問機関として作られました。設立趣旨は「子どもを取り巻く性や暴力に関する情報の氾濫(はんらん)やゲームやインターネットにのめり込むことの弊害について幅広く議論し、問題点を整理して社会に問題提起するとともに、その改善策を探ろうとするもの」ということになっています。

 当時の生活安全局長の竹花豊さんが実質責任者ということになります。竹花さんは広島県警(本部長)の時の暴走族の撲滅運動などが評価されて、東京都の副知事に引っ張られて、2年間くらいお務めになられて、新宿・歌舞伎町の浄化運動や、都青少年健全育成条例の改定などに携われて、05年に警察庁に戻られて生活安全局長ということになってます。取材などでも発言が多くて、Webとか見ていだくとこの方の発言を拾うことができるんですけども、竹花さんが返し述べられてきた問題意識というのが「研究会」に直結しているようなところがございます。

議論の推移なんですけども、最初は携帯電話の話がメインでした。要するに子どもが勝手にアクセスをして、いわゆる有害なものにアクセスできるのはイカンではないかということで、この部分についての議論がずっとあり、9月の段階で中間報告が出まして、これが携帯電話に関してフィルタリングをし、有害な情報は見せないようにするという提言が出ました。

これを受けて東京都などがフィルタリングサービスの普及に関する説明会を行ったりとか、総務省が携帯電話事業者を呼んで、フィルタリングサービスについて親の意思確認をしなさいと、そうしないとインターネットサービスを受け付けないようにしなさいという話になりまして、そんな形でいま対応が進んでいます。

議論の後半はゲーム、漫画になっていきます。第6回が10月に行われまして、この時はゲームの話が中心で、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の方が呼ばれて、その話をしたと。その中で、ソフ倫さんは自分の管理しているソフト以外について、どう考えても同人誌と同人ソフトのサークルのことを指して「無審査」の制作グループがいますよと、約1万1000はいるんじゃないですかねえという話をされています。この根拠がよく分からないのですが、コミケット(コミックマーケット)にサークル参加しているいわゆる「200番台」と言われている男性向けとかギャルゲーとか同人ソフトのサークル数を抽選率で割り戻すとぴったりになるんで、よく分かってる方がいらっしゃるんじゃないかと思うんですけども(笑)、そんな話がありました。

その後竹花さんのほうから具体的な実現方策ということで、現状追認から単純所持の禁止まで、幅広くさまざまなレベルの提案が出ています。警察庁のサイトに細かい資料がいっぱい載ってますので、興味のある方は見ていただければと思います。

その議論の中で、松文館の「密室」の裁判、これはわいせつ表現の問題ですけども、やはり「わいせつ」の判断は非常に難しいということがあり、これは竹花さん自身も述べられていることですが、わいせつの軸として子どもを性の対象にするコミックに対応するのは難しいんじゃないかというお話をされていて、別の規制が必要なんじゃないかというお話をされてるのがポイントかと思います。

第7回、11月の研究会なんですけども、前半はテレビゲームが与える影響ということで学者さんがお話をされてるいるんですが、何が一番影響あるかというと「まず視力ですね」と非常に空気の読めない発言をされてまして、いやそれであんた呼ばれてるんじゃないんだけど、と議事録を読んで笑ってしまったんですけども(笑)。

前半はそんな話ですが、後半は同人誌の話も結構出てきて、パンフレットに竹花さんの発言をゴシックで引用してますけども、要するになんか、よく分かんない連中がやってるんだよね、という感がありありと分かるというところがあります。その辺が問題提起のきっかけにもなってるわけなんですが、その中で法的規制についていろいろと議論があった中で、委員会全体としてはガチガチの法規制をしましょうという雰囲気ではなく、とりあえず問題提起をしました、関係者の自粛を促したいという話になっています。

最終的に報告書が12月、コミケの直前に出まして、漫画とゲームには大部なページが割かれていて、研究会の回数とページ数がまったく合わないという不思議な構成になっているわけですけども、その中でいろいろな話がります。特に報告書の中で、はっきりと、同人誌等即売会などについても、イベントの主催者に対して、子どもを性行為の対象とするコミックなどを18歳未満に売らない対策の強化を求めていくべきである、というようなことが記載されております。

こういう形で同人誌あるいは同人誌即売会というのが公的機関の報告書にはっきりと載ることは前例がないことでして、今回のシンポジウム開催の経緯にもなっているわけです。

2008年10月24日金曜日

「同人誌と表現を考えるシンポジウム」(2007年5月19日)での主催者挨拶

本日はご多忙のところ非常に多くの方々にご参集いただきましてまことにありがとうございます。

私は新潟で「ガタケット」という同人誌即売会を主催しております。同人誌に関するさまざまな問題を解決するゆるやかなネットワークとして「全国同人誌即売会連絡会」というのを立ち上げ、ここ何年間にわたって表現や著作権、わいせつ問題についていろいろと勉強会を開催して参りました。しかし今回、警察庁の「研究会」で、漫画の同人誌が初めて公の報告書に取り上げられる事態に至りまして、「同人誌と表現を考える会」というものを発足し、同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合の3団体で今回のシンポジウムを開催する運びとなりました。

 「研究会」が、特にバイオレンスと性表現に関して、18歳未満に対してどういうゾーニングを設けているのかということを課題にしていますので、それに対してわれわれが今どうしているのか、今後どうしていくのかに関するシンポにしたいと思います。ですので、2次著作に関する問題等は今回一切触れる時間がないことをご了承ください。

 ここにご参集のサークルさん、一般参加者さん、印刷業組合さんはご存じのように、われわれ同人界はかなり昔から、性表現に関する規制には厳しく対応して参りました。ですが、どうやらアピールが少し足りていなかったのかもしれないなという今回の一件なんですが、第1部は同人誌関係者による、今までわれわれがどういう規制を行ってきたか、そして今後どうやっていけばいいのかということを中心に、第2部は有識者の方々に、刑法175条*2、児ポ法、「研究会」や青少年健全育成条例とか、最近あまり話題にのぼっておりませんが、青少年有害社会環境対策基本法案、これはまだ案のままでどうなっているのかはっきりしませんけども、そういったことを含め幅広く性表現に関する現状と今後についてを語っていただくことになっています。

2008年10月23日木曜日

同人誌と表現を考えるシンポジウムが開催

2007年5月19日「同人誌と表現を考えるシンポジウム」が東京・池袋で開かれた。

警察庁「バーチャル社会のもたらす弊害から子供を守る研究会」(以下、「研究会」)が昨年12月にまとめた最終報告書では、「同人誌等の即売会についても、イベントの主催者に対し、子どもを性行為等の対象とするコミック等を18歳未満の者に売らないための対策の強化を求めていくべきである」と明記された。漫画同人誌の性表現について直ちに法規制を求める内容ではないが、警察の報告書に同人誌が取り上げられること自体が異例とされる。

 非常設の即売会に足を運ばなければ入手できなかった同人誌だが、専門書店やネット通販の発達で比較的容易に購入できるようになるなど、同人誌が一般に浸透しつつある現状が報告の背景にあると指摘されている。シンポジウムは、即売会や印刷業者らの団体が主催。同人誌とその表現の現状を見直し、今後も同人誌ならではの自由闊達な表現を守るためにどうすべきか、同人誌の現場の関係者や有識者が集まって話し合った。

約900人が参加者のうち、半分がサークル参加者(つまり同人誌の実際の描き手)、2〜3割が一般参加者(同人誌の受け手)で、即売会スタッフや印刷・出版関係者も少なくなかった。

シンポジウムでは即売会主催者や印刷所による自主的な修正などが紹介されたが、一般にあまり知られていないため、「もっと同人界の取り組みを発信していくべきだ」という意見が多かった。

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