エロゲーム規制や児童ポルノ禁止法に関するニュース記事を集めました。

2008年12月3日水曜日

児童ポルノ画像提供容疑で逮捕 『単純所持』野放し日本

 インターネットのファイル交換ソフトを悪用し、児童ポルノ画像を海外ユーザーに提供していたとして、埼玉県警が児童買春・ポルノ禁止法違反(提供目的所持)容疑で逮捕した東京都内の会社員ら三人が、計約千八百件のポルノ画像を所有し、画像へのアクセスは昨年十二月から先月までに計三十八万件に及んでいたことが分かった。所持自体への法規制がない日本から、ポルノ画像が世界に流出している実態が浮かぶ。

 県警によると、三人はファイル交換ソフト「eMule(イーミュール)」を使って画像の収集、提供をしていた。画像のほとんどが十歳前後の少女のものだったとされ、一部は少女の名前がタイトルに使われていた。児童ポルノの製造や販売が立件対象となったことはあるが、今回のように営利目的でない「提供目的所持」の適用は珍しい。

 児童ポルノなどの根絶活動をしている国際的な非政府組織(NGO)の日本での活動団体「ECPAT/ストップ子ども買春の会」は「各国の水準から遅れていた日本にとって画期的なこと。児童性的愛好者の犯罪を、野放しにしないという警告になる」と評価する。

 画像がネット上に流出すると、完全に回収するのはほぼ不可能。国連児童基金(ユニセフ)の国内委員会である日本ユニセフ協会には、性的虐待を受けた女子大生から「私の写真がネット上に流れていないか探し続けている。あの写真がある限り、恋愛も結婚も子どもを産むこともできない」という手記が送られてきたという。

 昨年三月に東京都で行われた国際シンポジウム「子どもポルノサイトの根絶に向けて」では、スウェーデン代表から「日本も単純所持が犯罪にあたると早く定義していただきたい」と非難を受けるほど、日本の法整備は遅れている。

 日本ユニセフ協会などは今年四月、児童ポルノの所持自体を禁止する法改正を求めて各政党に要望書を提出した。だが、与党側は規制対象を「既に所有する画像」も含める意向なのに対し、野党側は「偶然手にした場合も処罰対象になるのはやりすぎだ。積極的に入手した画像」に限定すべきだと主張。足並みはそろわない。

 捜査関係者は「児童ポルノの愛好家には画像の所持、強姦やわいせつ行為、殺害した上での強姦(ごうかん)、わいせつ行為-という三段階がある。『単純所持者』の摘発は凶悪犯罪を未然に防ぐためにも必要だ」と話している。

2008年12月2日火曜日

今国会の法改正、政局混迷で難航

 秋の臨時国会で、改正論議の深まりが期待されていた。ところが、政局が解散含みから、世界的な経済危機への対応と目まぐるしく移り、改正案は宙に浮いたままだ。

 自民党法務部会長の桜井郁三衆院議員は「臨時国会の中心は景気対策。今国会での改正は難しい」と語る。

 もう一つの課題は、ネットにあふれる児童ポルノをどう消すかだ。プロバイダーの協力で画像掲載サイトを閲覧させない「ブロッキング」が注目されている。

 欧米で昨年末までに10か国が導入。スウェーデンでは、ネット利用者が児童ポルノサイトに接続しようとすると、画面に「STOP」という警告と単純所持の罰則などが表示される。

 堀部政男・一橋大名誉教授(情報法)の話「ブロッキングは、ネット上にあふれる児童ポルノを減らす武器になる。規制のない国のサーバーを経由すれば閲覧できるため、各国間の協調も必要となる」

2008年12月1日月曜日

規制強化、海外に立ち遅れ

 児童ポルノ規制で、販売や提供を目的としない「単純所持」を禁止していないのは、主要8か国(G8)で日本とロシアだけ。

 韓国は昨年、法改正し、単純所持を2000万ウォン(約140万円)以下の罰金とした。「外国からは『まだ規制していないのか』と驚かれることも多い」(外務省)という。

 与党は今年6月、単純所持に罰則を設けた改正法案を国会に提出した。ネットでは所持をどの時点でとらえるか、難しい面がある。パソコンに入った時点で所持とすれば、迷惑メールを受け取った人も、所持になってしまう。与党案は「性的好奇心を満たす目的」の所持に限り、対象を児童ポルノを集める者に想定している。

 一方、民主党は「恣意的な捜査につながる」と反対し、有償取得などを罰する「取得罪」を盛り込む改正案骨子を発表した。

2008年11月30日日曜日

共有フォルダーにないと逮捕不可

 事件で使われたのは、ファイル交換ソフト「イーミュール」。画像などのファイルを共有フォルダーに保存すると、利用者はデータを共有し、長時間の動画も短時間で受け渡しできる。

 埼玉県警は、イーミュールをインストールした捜査パソコンで「サイバーパトロール」を開始。9~10月、強制捜査に踏み切った。ところが、押収パソコンのほぼ半数は共有フォルダーに児童ポルノはなく、ファイルは消去されていた。ネット掲示板で「警察がイーミュール利用者を狙って捜査している」との情報が広まり、捜査は難航する。

 児童ポルノを持っているだけでは「個人で楽しむため」と見なされて取り締まれない。共有フォルダーにあれば、「提供目的」などで摘発できる。捜査員は「共有フォルダーにないと逮捕できないのはおかしい。欧米では所持で100人単位で摘発した国もある」と嘆く。

 児童ポルノ問題に詳しい後藤啓二弁護士は「ファイル交換ソフトで被害が拡散する状況が改めて明らかになった。入手する側を規制する対策を早急に講じるべきだ」と話している。

2008年11月29日土曜日

ネット流出で一生消えぬ傷

 <自殺未遂を何度も繰り返しました。ネット上に自分の写真がばらまかれていないかと、何かにとりつかれたように探しました>

 性的虐待を幼い頃に受け、写真を撮られたという女子大生から、日本ユニセフ協会に手記が寄せられた。

 <あの写真があるかぎり自分は絶対に結婚もできません。児童ポルノが簡単に手に入る世の中では過去を忘れることはできません。人生は終わってしまったように感じます>

 同協会の中井裕真広報室長は「ネットに流出すれば心の傷は一生癒えない。被害者は、誰に自分の画像を見られているのかと恐怖に苦しみ続ける」と訴える。

 逮捕された男らは「児童ポルノをファイル交換ソフトで手に入れた」と供述。県警が押収したファイルに、数年前に別の事件で押収した女子高生のわいせつ動画や、10年前に撮影された女子児童のあられもない映像もあった。

 1日1万件以上のアクセスを集めたものもあった。県警幹部は「女児が成人になっても、映像はネットに残り、広まってしまう。ファイル交換ソフトが拍車を掛けている」と指摘する。

捜査の端緒は南米から

 「児童ポルノが日本の20か所から世界に発信されている」。埼玉県警の捜査の端緒は、ブラジル捜査当局からもたらされた。捜査は半年に及び、今月5~12日、男3人を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供目的所持)容疑で逮捕した。

 ネットに横行する児童ポルノを封じ込めようと、第3回「児童の性的搾取に反対する世界会議」が25日から、約130か国が参加してブラジル・リオデジャネイロで始まる。国際刑事警察機構(ICPO)を軸にした捜査が、会議に呼応するように、日本など70を超える国で展開中だ。

 前回2001年の横浜会議以降、日本は「児童ポルノの発信基地」と不名誉なレッテルを張られた。国際NGO(非政府組織)の集計で、日本は米、露に次いで児童ポルノサイトが多い。法整備も進まず、手をこまぬいていると見なされている。「世界規模の対処」を採択した横浜会議から7年。リオ会議は、「国際協力の戦略」などを討議する。その間にも児童ポルノは広がり続ける。

2008年11月28日金曜日

塾経営者…正体は児童ポルノ大好きオジさん

 愛知県警春日井署は29日、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで大阪府東大阪市西石切町1丁目、学習塾経営中川隆容疑者(50)を逮捕した。

 調べでは、中川容疑者は4月から5月にかけ、ネットオークションを通じて埼玉県春日部市の男性会社員(37)ら2人に児童ポルノの写真集をそれぞれ1冊ずつ計約1万9000円で販売した疑い。

 同署によると、中川容疑者は自宅で学習塾を開き、小中学生など約20人に教えている。「自分で集めていた写真集を売った。趣味が高じてしまった」と供述している。

2008年10月29日

2008年11月27日木曜日

金沢学童保育指導員の男逮捕

女児にわいせつ、撮影疑い
 金沢西署は4日、金沢市、学童保育指導員和田隆雄容疑者(28)を、強制わいせつ、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで逮捕した。

 発表によると、和田容疑者は2006年5月頃、勤務先の放課後児童クラブ(学童保育)の女子児童(当時小学生)に「家に来て遊ばないか」と誘い、自宅アパートでわいせつ行為をしてビデオカメラで撮影した疑い。和田容疑者の知人が、ビデオを見て同署に通報した。和田容疑者は8年前から勤務しており、「幼児に興味があった」と話しているという。同署は、ビデオテープ14本を押収して調べている。

 事件を受けて金沢市こども福祉課は、6日に市内に73か所ある放課後児童クラブの運営委員長を集め、緊急会議を開くことを決めた。「直ちに対策を練り、各クラブに再発防止をお願いしたい」としている。同クラブは、市が国や県と補助金を分担し、民間に委託して運営している。

2008年11月6日

元塩山中教諭の盗撮:元教諭、児童ポルノ法違反認める 懲役3年を求刑

 勤務先の中学校の女子トイレに盗撮目的で侵入し、建造物侵入罪などに問われた甲州市勝沼町上岩崎、元市立塩山中教諭、川崎剛仁被告(46)の第2回公判が7日、甲府地裁(渡辺康裁判官)であった。川崎被告は、追起訴された児童買春・児童ポルノ法違反の罪についても認めた。検察側は「盗撮行為は常習的で、市民の教職員への信頼を著しく損なった」として懲役3年を求刑し、結審した。判決は21日の予定。

 追起訴分の検察側冒頭陳述によると、川崎被告は07年8月5日、県内の施設の女子トイレで少女(当時17歳)の陰部を盗撮。トイレから出てきた少女の様子も撮影し、1枚に編集してインターネットの会員専用サイトに投稿した。

 検察側が明らかにしたサイト運営者の供述調書によると、川崎被告が撮った画像は非常に鮮明で「会員の間で師匠とか巨匠と呼ばれる有名人だった」という。川崎被告のパソコンには、自ら盗撮した約800枚の画像が保存されていた。

2008年11月8日

2008年11月26日水曜日

児童ポルノDVDを販売した疑いで追送検

 五條署などは5日、東京都墨田区京島3、無職、青木雄一被告(26)と、墨田区八広2、無職、小堺貴博被告(29)=いずれも児童買春・児童ポルノ禁止法違反罪などで起訴=を児童買春・児童ポルノ禁止法違反(提供)容疑などで追送検した。

 調べでは、両容疑者は9月6日、共謀し、携帯電話の出会い系サイトを通じて注文した石川県の男性に、わいせつDVD14枚(代金計7000円)を販売した疑い。うち2枚が児童ポルノだった。

2008年11月6日

2008年11月25日火曜日

「児童ポルノ法改正」に潜む危険 「準児童ポルノ」の無茶

もうひとつの改正ポイントである準児童ポルノの定義は、「アニメや漫画、ゲームなどで児童を性的に描いたもの」、あるいは「児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したもの」だそうである。つまり実写の人物ではなく所詮は描いた絵であるから、実際の児童の性的虐待自体がないわけだ。それにも関わらず、絵でも違法化するということである。また実写の場合でも、18歳以上が児童の格好をするのもダメということらしい。

 これは平たく言うならば、「萌え」の解体である。この規制のベースは、「性的虐待の表現を目にすることで、人は性的虐待に走るようになる」という思想が感じられるが、果たしてそうだろうか。これは、本来逆の話だ。つまり元々そういう性的指向のない人は、いくら児童の性的虐待表現を目にしても、ただ嫌悪感を感じるだけである。一方実犯罪に走る人は、別にこういった表現があろうとなかろうと、何かのきっかけで引き金は引かれるのである。

 これは、暴力的な表現を見た子供が、そのまま暴力的になるわけではないということと同じである。もしそうなら、1980年代に「北斗の拳」に夢中になった今の30代は、最終核戦争を起こしていなければならない。

 また、どういう表現したらポルノと言えるのか、という線引きもないに等しい。エロに見えるかどうかは、これもまた人それぞれである。以前「エロかわいい」ファッションが流行ったこともあったが、おじさんから見れば子供が冬にヘソ出して風邪引くぞーぐらいにしか思わない。そのものズバリでない以上は、もはや想像力の範囲である。

 さらに「写実的に描写したもの」となれば、それはほとんど主観の問題になってしまう。バニーガールをものすごく写実的に描いたあげくウサギに見えた場合は、どんなにエロくてももはや人ではない。それに欲情する人は、もはや誰が何をやっても止められはしないところまで行ってしまっているのである。

 そう考えると、どうも規制しようとする対象と、リアルに児童を性的虐待する人間像の間に、大きな隔たりがあるように思う。日本ユニセフ協会のサイトにある「子供ポルノ日本の現状」と題されたスライドショーには、イメージ映像として秋葉原の昭和通りの画像が使われている。要するに、アキバの店頭などで見かける扇情的なアニメ画なども一掃したいと考えているのだろう。

 確かに店頭の萌え絵は、ある日一線を越えた時があったように思う。正確には記憶していないが、おそらく2002年か03年ぐらいのことだったか。それまでもいわゆる萌え絵看板は存在したが、ぱんつが見えているものはなかったように思う。しかしその日筆者は、初めてばんつが見えている萌え絵看板を目撃した。たぶんそのあたりを境にして、なんとなく表現が解禁になっていったように思う。

 しかしそういうものは、何も児童ポルノ法をいじくらなくても、猥褻物陳列罪(刑法題第百七十五条 わいせつ物頒布等)で取り締まれる範囲である。店側もどっちみち18禁で売るわけだから、入店を年齢制限しているはずであり、その中で展示すれば済む話である。

 アキバから生まれる、あるいはアキバで消費されるコンテンツや文化は、これから電気・電子機器に代わって、日本の主要輸出産業となるサブカルチャーである。巨大産業として注目される「コミケ」も、ようやく著作権特区としての方向を見いだしたばかりだというのに、この法案が通れば壊滅的な打撃を受けるだろう。

 またこれらのコンテンツがあるから、実際の性犯罪が抑止できているという考え方もできる。つまり、そういう萌え絵に反応する人たちは、アニメ絵だから反応するわけで、現実の子供には興味がないものである。逆にアニメ絵を規制してしまったら、現実の子供に走る可能性が出てくる。親としては、むしろそっちのほうが困る。

 子供を性的虐待から守るという目的は筆者としても同意するところだが、規制強化への改正案は、方法として間違っている。単にオバチャンが見たくないものを感情的に取り締まるということではなく、もっと心理学の面に踏み込んだ議論がなされるべきであろう。

 児童ポルノ法第三条には、「この法律の適用に当たっては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。」とある。少なくともこの条文がひっくり返るようなことがあってはならない。

2008年11月24日月曜日

「児童ポルノ法改正」に潜む危険 「所持する」とは何か

インターネット社会になって難しいのが、この所持するという概念である。例えばある児童ポルノのイメージデータがあったとしよう。これを所持するとは、ごく単純に考えると自宅のPCのHDDに保存したり、DVD-RやCD-Rに保存する、あるいはプリントアウトするといったことに当たるだろう。

 だがこれをネットまで含めて考えると、妙なことが沢山起こる。例えばスパムメールに添付されてそれらの画像が送り付けられてきたらどうか。メールは見る前に消してしまえばいいかもしれない。しかし最近では、メールのバックアップとしてGmailや携帯などに転送をかけている人もいるのではないだろうか。

 ローカルPC内の画像は消したが、転送されたほうはすっかり忘れて、そのままになってしまうかもしれない。Gmailのファイルはローカルにはないが、データの所有権はおそらく本人にあるということになるだろう。つまりネットの世界では、「所持」という概念が、自宅内を超えるわけである。

 ダウンロード違法化問題でも同じ点を指摘したが、PCとインターネットの関係では、ダウンロードと閲覧の区別など付かない。ネットサーフィン中に意図せず児童ポルノ画像に行き当たっただけで、ローカルPCにはキャッシュが生成される。これは所持なのか。

 もうひとつ重要なのは、これはネットに限ったことではないが、これによって多くのえん罪が発生するのではないかという懸念である。先日も大阪市営地下鉄御堂筋線で痴漢でっち上げ事件が起こったが、この法案が通れば、わざわざ電車に乗り合わせる必要もない。つまり誰かを社会的に抹殺したいと思ったら、児童ポルノを郵便やメールで送りつけて、手に取ったり画像を開いた現場を押さえればいいということになる。現に米国や英国では、児童ポルノを使った社会的抹殺ではないかと言われている事件がいくつか発生している。

 さらにウイルスのような形で、「自動えん罪プログラム」を作ることも可能だろう。PCに潜み、定期的に大量の児童ポルノをユーザーの気づかないフォルダに長年にわたり蓄積し、ある程度年数が経ったところで警察に匿名で通報するようなプログラムである。この法改正で、児童ポルノ法は不特定多数の人間を無差別に社会から葬り去る、「究極の情報兵器」となりうるのである。

 携帯フィルタリングもダウンロード違法化もそうだが、もともと悪いのは、情報を出す側である。児童ポルノの提供者は、すでに現行法の七条で違法とされ、刑罰もある。なのに情報の受け手側を違法化するような、潜在的に一般市民全員を犯罪者に落としかねないようなやり方しか考えられない背景には、法改正に関わる者がいかにネットの仕組みを知らず、旧来の社会生活ベースでしかものを考えられないかという事実がある。ネット上の情報発信者が特定できないというのであれば、それを可能にする法改正にまず着手すべきだ。国際協力も、そこから始めるべきだろう。

2008年11月23日日曜日

「児童ポルノ法改正」に潜む危険 本来守りたいのは何か

まず問題を語る前に、基本情報をいくつか押さえておこう。まずキャンペーンの主体となっている「日本ユニセフ協会」は、国際連合児童基金(United Nations Children's Fund:ユニセフ)の日本法人ではない。ここはユニセフに「協力」している、ユニセフ外部の民間団体である。国連のほうのユニセフ日本事務所は「国際連合児童基金駐日事務所」で、渋谷の国連大学ビル内にある。

 さて肝心の児童ポルノ法というのは、1999年に制定された法律であるが、これは89年に子どもの権利条約の国連総会採択というのがあって、子供の権利を守るという観点から法整備が進められたものである。子供に対する拉致・監禁・誘拐などは児童ポルノ法を持ち出すまでもなく、犯罪である。児童ポルノ法の本来の役割は、青少年に対する性的虐待をなくすことにある。

 ところが実際にできあがった日本の児童ポルノ法は、なんだか援交禁止法とも呼べるものになってしまった。国連からは子供の人権保護を要請されたのに、できあがったのは貞操観念保護の法律であったわけだ。ここに最初のネジレがある。ここでいう児童とは、18歳未満の青少年である。これも一応断わっておくが、青少年というのは男女を含む。

 今年1月に衆議院調査局より発行された「各委員会所管事項の動向」(リンク先PDF)の233ページには、児童ポルノ法による検挙状況などが記されている。これによれば、検挙数や被害児童数は増減を繰り返しているだけで、特に増加傾向は見られない。児童ポルノ事件数だけが平成17年以降跳ね上がっているが、これは平成16年に法改正があり、処罰範囲が広がったためである。

 規制法が制定され、逮捕者が出れば、それに該当する犯罪は減少しなければならないわけだが、基本的に施行以来あまり変わっていないと言える。つまり児童ポルノ法は、犯罪の抑止効果が見られない法律ということになるわけで、役に立たない法律は廃案にすべきではないかと思うのだが、一度始めた規制を結果が出るまでエスカレートし続けるというのは、果たして正しいことかどうか。

 繰り返すが、児童ポルノ法の本来の役割は、青少年に対する性的虐待をなくすことにある。これに対する規制が、「児童ポルノの単純所持の違法・処罰」と、「実写ではない児童の性的描写を違法化」で成し遂げられるのだろうか。

2008年11月22日土曜日

「児童ポルノ法改正」に潜む危険

「児童ポルノ法」が改正されようとしている。子どもが性的虐待にさらされる事件は根絶されるべきだが、行われようとする改正は違う方向を向いているように思えてならない。
 人間の行動を規制するために、さまざまな法が存在する。法は、不特定多数の人の行動に社会が立ち入る大変な権力である。だが社会的権力を持った人というのはその力を試したいのか、あるいは規制するのは簡単だと思っているフシがあるのか、次々にへんてこな規制を持ち出してくる例が後を絶たない。

 すでにネット上の有識者の間で問題の指摘が始まっているところだが、3月11日から始まった「なくそう!子どもポルノ」キャンペーン(アニメ・漫画・ゲームも「準児童ポルノ」として違法化訴えるキャンペーン MSとヤフーが賛同)も、そんな匂いのする動きである。この運動を通して「児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律」、いわゆる「児童ポルノ法」が改正されようとしている。

 改正のポイントは2つ。

1 現行法が禁じていない単純所持も違法化・処罰の対象にすること
2 被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したものを「準児童ポルノ」として違法化すること
 この改正案をなかなか正面から問題視できないのは、規制肯定側が「だって児童ポルノってダメでしょ絶対!」という絶対正義のベールに包まれており、これに反対することは問題の本質にたどり着く前に「規制されるとお前が困るんだろう」、「この変態野郎め死ネ」的な目で見られるからである。なかなか独身男性には踏み込めない領域であろう。

 まあ筆者は既婚者だから、あるいは子供がいるからロリコンじゃないという言い訳にはならないかもしれないが、筆者は自分の子供たちを愛しているし、守りたいと思っている点は事実だ。実際の子供が性的虐待にさらされる事件はなくさなければならない。だがその方法論としてこの規制でいいのかという点を、少し考えてみたい。

2008年11月21日金曜日

児童ポルノの注文受け付け、空DVD送る 詐欺で男逮捕

愛知県警中部空港署は26日、携帯サイトで児童ポルノ映像の注文を受け付けながら何も写っていないDVDを販売して金をだまし取ったとして、詐欺の疑いで大阪市の職業不詳の男(34)を逮捕した。

 調べでは、男は平成19年1〜12月、携帯の出会い系サイトに児童ポルノの販売の書き込みをし、名古屋市の男性会社員ら3人に、計約4万5000円を振り込ませて、何も写っていないDVDを送り付けた疑い。

 同署署員がサイバーパトロールで書き込みを見つけ、児童買春・ポルノ禁止法違反の疑いで捜査していたが、実際に注文したところ、空のDVDが送られてきたため詐欺容疑に切り替えた。

 同署は、男が同様の手口でこのほか約800人から1000万円近くをだまし取っていた疑いがあるとみて調べている。

2008年11月20日木曜日

教え子との行為撮影? 都立高教諭を逮捕

教え子とみだらな行為をしたとして、警視庁少年育成課と目黒署は児童福祉法違反(自己淫行(いんこう))の疑いで、東京都調布市調布ケ丘、都立高教諭、清水徹容疑者(52)を逮捕した。

 清水容疑者は、高校卒業後に教え子と交際していたことは認めているが、18歳未満だった高校在学中の交際は否認している。

 調べでは、清水容疑者は平成18年8月下旬ごろ、立川市のビジネスホテルで、大学受験のための小論文を指導していた当時高校3年だった女子生徒(19)とみだらな行為をした疑い。「論文の指導をする」と呼び出したうえ、交際しないと指導をやめるなどと脅していたという。

 清水容疑者は女子生徒と19年10月ごろまで交際。しかし、女子生徒がメールを返信しなくなったことから、清水容疑者が女子生徒の自宅に押しかけ、家族に犯行が発覚。今年5月、学校が目黒署に届け出た。

 清水容疑者は女子生徒との行為をビデオで撮影。自宅からは、女子生徒と別の女性1人が映ったビデオ23本が押収された。同課は映っている女性が18歳未満だった場合は児童ポルノ法違反(製造)に当たるとみて調べている。

2008年11月19日水曜日

県教委:教諭2人懲戒免職 児童買春で罰金刑確定など /新潟

県教委は29日、児童買春・児童ポルノ法違反の疑いで逮捕され、罰金刑が確定した県立白根高、佐藤友保教諭(42)を同日付で懲戒免職処分にしたと発表した。

佐藤元教諭は、携帯電話のプロフィールサイト(プロフ)で知り合った中学3年の女子生徒に現金3万円を渡し、ホテルでみだらな行為をしたとして11日に逮捕され、罰金刑が確定している。

また今年4月、飲酒したうえで車を運転し民家の塀に接触させたとして、県立阿賀野高、野崎史郎教諭(46)も懲戒免職とした。

このほか速度超過などで、小学校教諭ら4人が戒告などの処分を受けた.

2008年11月18日火曜日

自宅で作った偽札使い児童買春、25歳男を逮捕 神奈川

自宅のスキャナとプリンターを使って1万円の偽札を作り、使ったとして、相模原南署は2日、通貨偽造・同行使の容疑で、埼玉県所沢市の風俗店店員、五十嵐裕一容疑者(25)を逮捕した。調べでは、五十嵐容疑者は今年4月中旬、相模原市のホテルで、無職の少女(17)にみだらな行為をし、偽1万円札10枚を渡した疑い。五十嵐容疑者は今月10日に児童買春・児童ポルノ法違反容疑で逮捕されている。

2008年11月17日月曜日

児童買春・ポルノ禁止法違反:14歳少女を買春、会社員有罪判決--地裁 /秋田

14歳の少女を買春したなどとして児童買春・児童ポルノ法違反などの罪に問われた横手市上堺白旗、会社員、佐藤裕太被告(21)に対し、秋田地裁(馬場純夫裁判長)は8日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役3年6月)を言い渡した。

 判決によると、佐藤被告は08年3月15日、横手市の自宅で少女(当時14歳)が18歳未満であることを知りながら現金3万5000円を渡して買春した。08年4月6日には自宅で別の少女(当時12歳)にもみだらな行為をした。

2008年11月16日日曜日

児童ポルノ投稿サイトの開設者ら逮捕

児童ポルノの画像投稿サイトをインターネット上に開設したなどとして、神奈川県警少年捜査課と伊勢原署は1日、児童買春・児童ポルノ法違反(児童ポルノの公然陳列)容疑で、横浜市鶴見区東寺尾の無職、脇本良介容疑者(43)ら4人を逮捕した。

 脇本容疑者は平成17年5月、携帯電話のネット上に児童ポルノ画像投稿サイト「さくらんぼ女学院」を開設。これまでに約6155万件のアクセス数がある人気サイトだったという。主に広告で収入を得ており、「金もうけのためにやった。広告代理店と契約を結び、いいときで月に60万円ほど稼いでいた」と供述しているという。

 調べでは、脇本容疑者は5月13日ごろ、投稿者の男ら3人と共謀し、インターネット上に児童ポルノ画像を公然と陳列した疑い。

 サイトにはパスワードが設定されていたが、簡単に入手でき、不特定多数が閲覧できるようになっていた。

2008年11月15日土曜日

児童買春・ポルノ禁止法違反:容疑で3人逮捕--県警 /富山

県警少年課などは、児童買春・ポルノ禁止法違反(児童ポルノ製造)などの疑いで滑川市上島、代行運転手、石橋秀仁容疑者(33)ら3人を逮捕、石川、三重など4県の男5人を富山地検高岡支部に書類送検したと6日、発表した。

 調べでは、石橋容疑者は昨年12月〜今年2月、県内の中学3年の女子生徒(15)ら2人に現金を渡す約束でみだらな行為をし、その様子を撮影した疑い。

 8人は面識はなく、それぞれ昨年7月〜今年7月、携帯電話の複数の出会い系サイトを通じて計3人の被害女性と知り合い、1〜4万円を渡して、わいせつ行為をしていた。

 また、押収した携帯電話やデジタルカメラから、写真・動画100枚以上を確認。中学、高校生2人の被害が新たに判明し、同課が余罪を追及している。

2008年11月14日金曜日

エロゲーの規制を求める請願を衆議院が受理

「美少女アダルトアニメ雑誌及び美少女アダルトアニメシミュレーションゲームの製造・販売を規制する法律の制定に関する請願」が、2008年10月3日に衆議院にて受理された。紹介議員は村井宗明議員(民主党)。

その内容はアダルトアニメゲーム・雑誌を「幼い少女達を危険にさらす社会を作り出していることは明らかで、表現の自由などという以前の問題」と指摘し、製造・販売について罰則を伴った法律の制定を求めるもの。
請願には1万449人の署名も添えられている。

確かに、近年のアダルトゲームは児童ポルノ的な内容のものが多い。
児童ポルノ禁止法の設立後、児童ポルノに対する志向の強い層の行き着く先として発展してきたのかもしれないが、その近年の犯罪数の増加に対する影響を、このアダルトゲームに言及する声も多い。

一方で、児童ポルノ禁止法について、新たに単純所持の禁止などを追加する改正の動きに対し、慎重な議論を求める請願も、255人の署名とともに衆議院に提出されている。紹介議員は保坂展人議員(社民党)。

こちらは児童ポルノ規制を強化することで、えん罪事件への発展や、捜査権の乱用によるプライバシーの侵害などを危惧してのこと。新たな罰則を設けないよう求めている。児童ポルノの定義を明確なものにすることや、イラストを同法に含めないことなどを求めている。

2008年11月13日木曜日

エロゲーの規制の請願で掲示板に批判数百件

「アダルトゲームで青少年は心を破壊され、人間性を失う」──。民主党の円より子参議院議員らが提出したアダルトゲームの規制を求める請願に対し、同議員のインターネットサイトの掲示板に、数百件の批判的な意見が寄せられている。

掲示板には「雑誌やゲームが全て犯罪の元と言いたいのか」「ゲームユーザー及び製作者に対してあまりにも偏った失礼な発言だ」「美少女ゲームを嗜む大人だが、自分の心も壊れているのか」といった批判的な意見が寄せられた。「科学的根拠に基づいているのか」「アダルトビデオは危険ではないのか」といった指摘があったほか、女性とみられる投稿者からは「子持ちの主婦ですが(ストーリー重視の)エロゲーくらいやる」との書き込みもあった。

2008年11月12日水曜日

エロゲー規制の請願を民主党の円より子参議院議員らが提出

「アダルトゲームで青少年は心を破壊され、人間性を失う」として、民主党の円より子参議院議員らがアダルトゲームの規制を求める請願を提出した。(2008年05月23日)

円議員らが提出したのは「美少女アダルトアニメ雑誌とゲームの製造・販売の規制法制定に関する請願」。
「街中に氾濫(はんらん)している美少女アダルトアニメ雑誌やゲームは、小学生の少女をイメージしているものが多く、このようなゲームに誘われた青少年の多くは知らず知らずのうちに心を破壊され、人間性を失っており、既に幼い少女が連れ去られ殺害される事件が起きている」と指摘し、「幼い少女たちを危険に晒(さら)す社会をつくり出していることは明らかで、表現の自由以前の問題である。社会倫理を持ち合わせていない企業利潤追求のみのために、幼い少女を危険に晒している商品を規制するため、罰則を伴った法律の制定を急ぐ必要がある」と、罰則をともなう法規制を求めている。

警察庁のまとめによると、平成19年に摘発した児童虐待事件は前年比1%増の300件、わいせつな画像を撮影されるなどの児童ポルノ事件の被害に遭った児童(18歳未満)は同20.2%増の304人で、いずれも過去最悪になっている。
アダルトアニメ・ゲームとの関連性は不明だが、ネット上では児童ポルノなどの規制に関する議論がこれまでも数多くなされおり、今回の請願についても大きな反響を呼びそうだ。

2008年11月11日火曜日

アニメ・漫画・ゲームと「準児童ポルノ」の見解

呼びかけ人の後藤啓二弁護士によると、「準児童ポルノ」は「アニメ、漫画、ゲームソフトなどと、18歳以上の人が児童を演じるようなビデオなど」。アニメや漫画、ゲームソフトは「写実的なものに限られる。ちょっと漫画で子どもの裸を描いたからといって規制はありえない」という。

 また「18歳以上の人が児童を演じる」については、「子どもと見分けがつかないような、例えばセーラー服を着ているとか」といったもので、「出演者の年齢確認ができないことをもってこうしたものがはんらんしているため」と説明した。ただ、「明らかに児童でない人の場合は対象外になると思う」とした。

 記者会見で、公明党の丸谷佳織衆院議員は、同党内に昨年12月に発足したプロジェクトチームが東京・秋葉原を視察したことなどを話し、「単純所持の違法化については明るい見通しだが、漫画やアニメは現状のままでいいのか。秋葉原の実態を見ながら、議論を深める必要がある」と話した。

 民主党の神本美恵子参院議員は、近く同党内に作業チームを立ち上げ、児童ポルノ問題について具体的な協議を始めると説明。「単純所持の違法化と、架空のものが大きな論点になるだろう。ゲームの中で児童はひどい虐待を受けており、しかも児童は『虐待を受けて良かった』という作りになっている」と批判した。

2008年11月10日月曜日

「子どもポルノ問題に関する緊急要望書」の内容

「子どもポルノ問題に関する緊急要望書」の内容は以下のようなものだ。

具体的には(1)現行法が禁じていない単純所持も違法化・処罰の対象に、(2)被写体が実在するか否かを問わず、児童の性的な姿態や虐待などを写実的に描写したものを「準児童ポルノ」として違法化──するよう、現行法の改正を含めて政府・国会に要望する。

またメディアやISPらに対しても、「子どもポルノ」に含まれる写真やアニメなどの流布を規制する取り組むよう求めていく。

2008年11月9日日曜日

「子どもポルノ問題に関する緊急要望書」への署名を呼びかけ

キャンペーンは、ユニセフ(国連国際児童緊急基金)に国内協力する民間団体・日本ユニセフ協会の大使を務めるアグネス・チャンさんや同協会の東郷良尚副会長、ヤフーの別所直哉最高コンプライアンス責任者ら25人が呼びかけ人として参加。「子どもポルノ問題に関する緊急要望書」への署名を呼びかけ、同協会が取りまとめる。

 緊急要望書では、現行法で違法化されている写真・動画以外にも、漫画やアニメなど「子どもの性を商品として取引するもの」を「子どもポルノ」と定義。インターネットや携帯電話の普及で子どもポルノを取り巻く環境が激変しており、「IT大国・コンテンツ大国である日本国内の現状が放置されているため、日本だけではなく世界の子供達も性的虐待の被害にさらされている」と指摘する。

 その上で現行法で処罰対象となるか否かを問わず「子どもに対する性的虐待を性目的で描写した写真、動画、漫画、アニメーションなどを製造、譲渡、貸与、広告宣伝する行為に反対する」とした。

2008年11月8日土曜日

アニメ・漫画・ゲームも「準児童ポルノ」として違法化訴えるキャンペーン

児童ポルノの単純所持の違法化や、アニメや漫画、ゲームの表現も「準児童ポルノ」として違法化を目指すキャンペーンの署名受け付けが始まった。マイクロソフトとヤフーが企業として賛同。(2008年03月11日)

アグネス・チャンさんらが呼び掛け人として、いわゆる児童ポルノに反対する「なくそう!子どもポルノ」キャンペーンのネット署名受け付けが3月11日始まった。児童ポルノの単純所持の違法化や、アニメや漫画、ゲームなどで児童を性的に描いたものも「準児童ポルノ」として違法化するよう政府・国会に求めていく。キャンペーンにはマイクロソフトとヤフーが企業として賛同した。

同日、東京・永田町の衆院第2議員会館で開いた記者会見で、アグネス・チャンさんは「子どもへの性的虐待は犯罪。ポルノを持ってもだめ、漫画を買って読んでもいけないと訴えていくべき」と話した。森山真弓元法相は「自民党の小委員会では単純所持は禁止の方向で一致しており、今後具体的に進めていく」とした。

2008年11月7日金曜日

「漫画・イラストも児童ポルノ規制対象に」約9割──内閣府調査

内閣府が2007年10月25日発表した「有害情報に関する特別世論調査」によると、実在しない子どもに対する性行為などを描いた漫画・イラストも規制の対象とすべきという回答が約6割に上り、「どちらかといえば規制すべき」との合計は約9割に上った。

 現行の児童ポルノ法は漫画・イラストを規制対象にしていない。調査では58.9%が「規制の対象にすべき」とし、「どちらかといえば対象とすべき」との合計は86.5%だった。一方、「どちらかといえば対象とすべきでない」は6.6%、「対象とすべきでないは2.5%」にとどまった。「わからない」は4.5%だった。

 児童ポルノの単純所持についても、69.6%が「規制すべき」、21.3%が「どちらかといえば規制すべき」とした。

 調査は、「有害情報」を「子どもたち悪影響を与える恐れのある情報」とし、(1)わいせつ画像などの性的な情報、(2)暴力的な描写や残虐な情報、(3)自殺や犯罪を誘発する情報、(4)薬物や危険物の使用を誘発する情報──などと定義。こうした「有害情報」が「近年、多くなっています」などととする説明を調査対象に提示して実施した。

 「雑誌、DVD、ビデオ、ゲームソフトなどの有害情報から子どもを守るために、どのようにすべきだと思いますか」という質問には「国として規制すべきだ」が63.2%、「各都道府県の条例で規制すべきだ」が21.8%。ネット上の「有害情報」について、国が「規制すべきである」は68.7%、「どちらかといえば規制すべきである」は22.2%と約9割に達した。

 調査は「子どもたちに悪影響を与える恐れのある情報に関する国民の意識を調査し、今後の施策の参考とする」ため、9月13〜23日に全国の20歳以上の3000人に対し個別面接で実施した。有効回収数は1767人(58.9%)。

2008年11月6日木曜日

同人誌と表現 会場修正、女性系が男性系を超える

商業誌とのダブルスタンダートと申し上げたんですけど、商業出版はプロの作家さんと出版社がやっているので、ある意味確信犯でやっている方も多いと思うんです。場合によっては逮捕されるかもしれない、ということもあるし、それこそいつ編集長が代わってもいいみたいな態勢でやっているので、単純に同人誌の場合と比較はできないのかなと思います。

同人誌の場合は横を見ながら「このくらいでいいのかな」というところがあったりするので、「絶対にこれなら大丈夫」、あるいは逆に「わいせつの何が悪い」と戦っている方は少ない。もちろんいるとは思うんですが、少ないとは思いますので、それぞれ相談しながら、どのくらい修正するのか考えていかなければならないのかなと思います。

ただ、実際に戦おうという人や、あるいは何が悪いんだという人もいると思うんですが、そういう問題でトラブルに発展した経験がある方っていらっしゃいますか。

実際に「なんで塗んなきゃいけないのよ」ってのは結構多いんですよ、だいたい2コミケに1回くらい。「これは何でわいせつなの、どこがいけないの」と。

実は最近女性系サークルのほうが多いんですよ。横にいる武田さんなんかが一番かわいそうなことになってるかもしれないんですけど(会場笑い)、実は去年の冬コミでついに、女性系サークルのほうが、男性系サークルをおさえまして、修正が多くなっております。いつもだと女性系が4、5件くらいですが、今回初の2けたにのりまして、男性系を超えました。

昔から女性系サークルは多いですが、やはり最近、やおい、JUNE、ボーイズラブといろいろあって、女性系サークル増えていて、だんだん過激になってきている。かつ、男性器に対して修正を入れるという意識があまりないように見えるんですね。どうなんですかね。

さっきもちらっと言ったんですけど、わいせつ物という問題に関して、意識が「対岸の火事」。

意識がそもそもない?

ない。あるいは、これも2、3年前の夏に問題になったんですけども、「わいせつ物」と「18禁」の区別がついていない。念のためですが、「18禁」というのは、18歳以上の相手ならば売っていいものなんですよね。「わいせつ物」というのは相手が18歳以上であろうがなんだろうが売ってはいけないもんなんですよ。この区別がついてなくて、なんかネガティブな思想にばっかりいっちゃう。でそっちに走られるっていう傾向も一時期、2〜3年くらい前に強かったですかね、女性向けで。

女性系の方にも考えてもらわなきゃいけないかなと思います。きょう会場を見ても、こういうシンポジウムにくるのは男性系の方が多いのかなって思うんですよね。女性系の意識をどうやって変えていくのかは今後の課題ですね。われわれイベント側もそうだし、印刷所もそうだし、書店さんも。メロンさんは女性向けの扱ったりしてるんですかね。

うちは女性向けの「リブレット」というのがあるんですけど、女性は極端に過激か、極端に官能的か、「あ、してるのかな」というのが多いですね、微妙な範囲というのか(会場笑い)

それで噛んでくるんですよね、「あれは大丈夫だった」「あれはいいんだ」ときて、「いや商業誌に準じるんじゃないって書いてあるじゃないか、アピールに」って言うんですけど、だいたいそういうサークルさんに限って奥付がなかったりして、「いやあ、奥付がないと作ったサークルさん自身が責任を取れないとか、連絡先がないということについては最後、警察とかに問われた時に突っ込まれますよ、やはり奥付を入れてもらった上で、しっかりと成人マークも入れてやってもらわないと、商業誌に準じるなんて言えないんですよね」という話をしながらごまかしつつ、柔らかに「今度修正してくださいね」っていいながらマジックペンを渡して帰ってもらうという風にしてもらうんですけど。結構大変なんですよ、女性系。噛んだら長いですよ。男性系のほうがすんなり「分かりました、すぐ塗ります」って言うんですけどね。

2008年11月5日水曜日

同人誌と表現 同人誌のほうが厳しい基準

書店の場合は商業誌と平行して売ってらっしゃいますよね。商業誌は商業誌の判断基準があって、専門書店売りはかなり確信犯的に修正が薄いというケースがままあるようなんですが、即売会基準はまた違うわけで、いわゆるダブルスタンダードになってると思うんですけど、その辺の対応は。

メロンブックスは、商業誌と同人誌とで18禁判断基準を別個に分けてます。商業誌は商業誌の判断基準で対応しており、逆に言うと同人誌のほうが厳しいくらいですね。

性器に関してはぼかし、もしくは消しが入っていれば弊社は基本はOKです。コミケさんほど厳しくはないんですが、じゃあ性器が写ってるからといってですね、じゃあ「フランダースの犬」のネロが死んじゃう時に天使が上から降りてきますけど、あの天使の股間に何がついていたかどうか覚えてませんが、みなさん、あの天使が迎えにくる場面でもし「ついてた」として、そこにぼかしが入ってたらげんなりしませんか(会場笑い)。

あからさまな行為に関しては修正すればいいわけで、ストーリー展開上の流れに関してですね、ぼかしとか消しとか入れたほうがいいんじゃないのと言われちゃうと、これは逆に作品見るほうのファンとしては悲しいことになってしまいます。ストーリーの展開上出てきた裸であって、ギャグマンガの中の描写で、じゃそれがエッチかどうかというと、局部描写とかもなかったらぼかす必要はないわけで、そのような形で書店も柔軟には対応しています。

商業誌は出版社さん個々で対応していますので、こちらは入荷したものを販売して、有害図書指定などがあった場合には指定に従うという対応しか取っておりません。

同人誌は逆にもっと細かい基準で対応しています。ガイドラインは弊社も虎の穴さんも含めて表には発信していないのですが、入荷段階で印刷所さんから来ているわけですし、「やばい作品」は表に出ないんですね。発注の段階、入荷の段階ですべてチェックし、「ちょっとこれは危ないと思いますので、ぼかしたほうがいいですよ」といった指導も個別に行っています。もしサークルさんでこれはどうなんだろうとあったら、市川さんに聞くのもよし、印刷所さんに聞くのもよし、また書店担当者に聞くもよしで、相談してみると考えるきっかけになると思います。

虎の穴さんはかなり幅広く、サークルさんとコミュにケーションを密にやってらっしゃる印象がありますが、サークルさんとのコンセンサスの作り方はどのように。

当社も一定の基準を設けて、その範囲内での相談というのは行ってはいます。ただ、すべてチェックしきれているのかというと、販売後に発覚したケースというのもあります。

 基本的にはクリエーターの方が作られた作品という認識でお預かりしていますので、何がまずいのか、修正部分などを直接お電話なりで相談します。どうしても納得できないというケースになった場合は、当社としてはその作品自体の販売を見送らせていただくこともあります。当社も販売者として販売責任はありますが、何よりクリエーターの方や業界が作品を今後も紹介し続けられる体制というものを意識して、1つの作品だけですべてが終わりになるということはないと思いますが、こういう世の中ですので、そういったことがないようにですね。

 販売をしてから発覚するのは最悪のケースだと考えておりますので、その前の段階、入荷後の見本誌チェックなど、二重三重のチェックを通して、漏れないようにはしているつもりではあります。今後は啓蒙活動も強化していきたいと思います。

2008年11月4日火曜日

同人誌と表現 印刷所、サークル、準備会の連携

いまデータ入稿の話が出ました。アナログ入稿っ原稿を1枚1枚目の前でチェックされた印象があるんですが、データ入稿ってお預けして、それで本ができるのを待つという状況になってるのかなという気がします。データ入稿が増えてチェックする余裕がなくなってきてるんじゃないかというのと、もう1つの傾向として、フルカラーの絵を刷るケースがかなり増えてきている。フルカラーでモザイクだと、感覚的なものなんですが、修正が甘いっていうふうな状況があるのではないかという気がするのですが、いかがでしょう。

コミックマーケット側の話では出ませんでしたが、データはFTPでコミックマーケットに送って見ていただいて、これでいいですか、ということをやっていますが、うーん、そんなにまずいものがたくさんたくさん出てきてる状況ではないと把握してますけどね。

時間があれば、武川さんが言ったようにウチのほうに送られてきて、チェックして印刷所に返します。ただ、あんまり来ないんですよね。サークルの方は分かってると思うんですけど、入稿が遅い(会場笑い)。ギリ入稿かなり多いんですよ。そうするとスルーパスする、ということが多々あると思うんですよね。

この前のCOMIC1で「塗ってくれ」というサークルさんが1つ出ましたが、やはり印刷所さんでスルーしちゃって、修正が足りなかったので、その場で塗って販売してもらったんですが、その時もサークルさんがしっかりしてまして、当日その場で虎の穴さんへの搬入も止めて、自分の家に送り返して、いま一生懸命塗ってると(会場笑い)。たぶん今月くらいから販売されるんじゃないかと思うんですが。

 やっぱり連携はとれてるし、印刷所、サークル、準備会──1つ抜けてもどこかで引っ掛かる。誰かが「これはやばい」って言って、事前に食い止めていく、市場に出る前にしっかり止めていくという連携プレーがとれてきている。印刷所のほうも、入稿さえ早ければ、しっかりと問題があるなと思うと僕のほうに投げてくると思うし、その辺はできてると思うんですけどね。

なにかあった時に相談できる状況にあるのはいいことですね。

そうですね、必ず門戸は開いているんで、どこかに投げてほしいというのはありますね。言ってもらえれば見に行くし、今じゃPCで送れますので、送ってくれれば確認して「ここは修正してください」、大丈夫なら「ここはスルーしてください」ってやってますので、サークルさんも何かありましたら、印刷所さんを通してでもいいですし、どこかで聞いてもらえれば伝わると思いますので、しっかりと手を挙げてくれればいいなと思っております。

2008年11月3日月曜日

同人誌と表現 印刷屋さんの対応

原稿はまず最初に印刷屋さんに持ち込まれます。先ほど「ここ1〜2年甘くなってないかという印象がある」と申し上げたんですけど、武川さんにここ何年かの変化があったら教えていただきたいのですが。

甘くなってるかと言われると、そうかなあと思うんですが……確かに、カラーのイラスト、ストーリーものっていうのはモザイクで修正したりすることが多い。白か黒での修正は、修正の意志があるということになりますよね、モザイクって1つの表現の範囲内、絵ですからね。そこら辺でやや基準がふらついてるのかなという気持ちはありますね。

 それと、同人誌印刷所組合以外の印刷所だってあるじゃないかという話ですが、先ほど組合で80〜85%の同人誌を作ってるだろうと言いましたが、組合には入っていない古参、あるいはここ7〜8年で相当の量をこなしてる印刷所なども含めると、95%から97%くらいは「知られている印刷所」ということになります。われわれもよく知られてる印刷所とはひんぱんにコミュニケーションをしているので、95〜97%というのはコミックマーケット基準をよく分かってやってると思います。

 確かにデータ入稿の時代になって、どこの印刷所でも刷れるということになってきていますから、新規参入も多いわけですが、新規参入の会社というのは意外と、われわれが全然知らない印刷所として入ってくるのかというと、意外とそうでもない。「ああ、あそこが」というつながりが6割くらいはあったりするものなので、だから個別に話してということですよね。「これ、わかってる?」「これまずいよね」ということを個別にやっている現状です。ただ、それでも不十分なところはあるなと思っているので、イベンターなどと協力して浸透させていかなければなと思っています。

2008年11月2日日曜日

同人誌と表現 成人マーク

3月からかなり具体的なアピールをするようになったコミックシティの参加者の手応えや反応は。

急な話だったのでどの程度浸透するかは疑問だったんですけど、現状見てる限りにおいては、18禁表示と18禁カードは、特に必ずそれを使わなければいけないものという形にはしてないので……ちょっとデザインがよくないという話があったりとかしたもんですから……

でも気の利いたものをサークルさんのほうで逆に作ってもいいんだろうか、とか、そういう動きをサークルさんのほうでしてくれたりするので、意外と浸透はしているのかなと。

18禁表示はスタッフが持って歩いて、18禁表示されてませんね、POPとかも用意してませんね、じゃあしてくださいよと。配る枚数は、例えば春コミなら200〜300枚は出さないとダメなんじゃないかなと見てたんですが、40〜50枚くらいで済んでるらしいので、思ったよりは浸透はしている。続けていけば、もっと浸透するのかなと思っている状況です。

2008年11月1日土曜日

同人誌と表現 コミケット基準

僕は十数年、コミケットのわいせつの基準を前代表から引き継いでやっております。前に言ったとおり「性器の露骨な描写」というのを修正してもらってます。コミックマーケットもCOMIC1もそうなんですけど、まず見本誌をもらってます。全サークルが当日出す新刊の見本誌をもらっておりまして、それを全部見る。コミックマーケットですと、1日600〜700人くらいがえっちらおっちら見てるわけなんですけども、その中で、修正がないとか、ちょっとこの修正は薄いんじゃないか、とかといったものを抜き出し、僕が最終チェックをかけています。

まず男性器の描写についてはカリの部分、女性器の場合はクリトリスというものがしっかりと修正が入っているものが好ましい。修正の仕方は、白ベタであれ黒ベタであれ、モザイクであれ何でもいいと思うんですけども、見えない形であることが非常に好ましい。修正の仕方や大きさとかもいろいろあって、黒ベタで塗らなくても、ぬれ具合で隠したりとかヘアを使って隠したりとか、字を入れてみてごまかしてみたりとか、いろいろなやり方がある。そういったことを逐一確認していく。

修正がないものは確実に修正してもらいますが、修正が少しのものについては、最終的には本の形態を見るんですよね。成人マークが入っていれば、これは成人しか手に取らない本だと、本単体ではゾーニングがかかってますので、入っていれば少し甘めにしようかと。または奥付がしっかり入っていれば、このサークルさんは自分たちでも責任を取る気があるんだな、がんばっていこうという気が見えるな、という場合には甘めにしていこうと。

成人マークがなくて奥付もない、修正も少ししかなくてぎりぎりのところだ、というと、ちょっと厳しめに修正してほしいな、というのはやはりあります。商業誌でもそうですが、コンビニで売っているものと、専門書店で売っているものでは修正の度合いが違うんですよね。同じ出版社で出していても全然違うものになっている。それはやっぱり置き場所の問題があると思うんですけども、同じようにわれわれも、しっかりと本の形態を見て、コミックマーケットという場所、COMIC1という場所、即売会という場所で、その基準のどこにあたるか、を見ながら考えていく。

つまり本の形態によるもの、場所によるもの、修正の仕方──の3つの複合で考えています。それを1日、ぱっと見3分くらいで「このカットどうよ」と頭からひねり出すということをしてるんですけども、1日あたり100冊くらいを見ております。この辺の詳しいことは、ほんとは絵かなんか描いてね、こんな感じで修正してくれれば、ってやりたいんですけども(笑)

同人誌と表現 コミケット基準

僕は十数年、コミケットのわいせつの基準を前代表から引き継いでやっております。前に言ったとおり「性器の露骨な描写」というのを修正してもらってます。コミックマーケットもCOMIC1もそうなんですけど、まず見本誌をもらってます。全サークルが当日出す新刊の見本誌をもらっておりまして、それを全部見る。コミックマーケットですと、1日600〜700人くらいがえっちらおっちら見てるわけなんですけども、その中で、修正がないとか、ちょっとこの修正は薄いんじゃないか、とかといったものを抜き出し、僕が最終チェックをかけています。

まず男性器の描写についてはカリの部分、女性器の場合はクリトリスというものがしっかりと修正が入っているものが好ましい。修正の仕方は、白ベタであれ黒ベタであれ、モザイクであれ何でもいいと思うんですけども、見えない形であることが非常に好ましい。修正の仕方や大きさとかもいろいろあって、黒ベタで塗らなくても、ぬれ具合で隠したりとかヘアを使って隠したりとか、字を入れてみてごまかしてみたりとか、いろいろなやり方がある。そういったことを逐一確認していく。

修正がないものは確実に修正してもらいますが、修正が少しのものについては、最終的には本の形態を見るんですよね。成人マークが入っていれば、これは成人しか手に取らない本だと、本単体ではゾーニングがかかってますので、入っていれば少し甘めにしようかと。または奥付がしっかり入っていれば、このサークルさんは自分たちでも責任を取る気があるんだな、がんばっていこうという気が見えるな、という場合には甘めにしていこうと。

成人マークがなくて奥付もない、修正も少ししかなくてぎりぎりのところだ、というと、ちょっと厳しめに修正してほしいな、というのはやはりあります。商業誌でもそうですが、コンビニで売っているものと、専門書店で売っているものでは修正の度合いが違うんですよね。同じ出版社で出していても全然違うものになっている。それはやっぱり置き場所の問題があると思うんですけども、同じようにわれわれも、しっかりと本の形態を見て、コミックマーケットという場所、COMIC1という場所、即売会という場所で、その基準のどこにあたるか、を見ながら考えていく。

つまり本の形態によるもの、場所によるもの、修正の仕方──の3つの複合で考えています。それを1日、ぱっと見3分くらいで「このカットどうよ」と頭からひねり出すということをしてるんですけども、1日あたり100冊くらいを見ております。この辺の詳しいことは、ほんとは絵かなんか描いてね、こんな感じで修正してくれれば、ってやりたいんですけども(笑)

2008年10月31日金曜日

コミティア実行委員会 〜現場からの発言〜

コミティアはコミケやシティに比べればだいぶ規模が小さい、2000スペースくらいでやっておりまして、なにぶんオリジナルオンリーですので、参加者の年齢が比較的高めで、20代後半くらいがメインになっています。そういう意味ではだいぶ大人が集まっている感じのイベントになっています。

 またアダルトの割合が結構少なく、前回の数でいうと2600スペースに対してアダルトが130サークルで5%、JUNEで60サークルで2%くらいという感じで、うちでのJUNEというのは大変ソフトなものしかないので、全体でも1割以下というくらいです。

 比較的、性表現に関してはあまり神経質にならずにずっとやってこれました。コミティアでは見本誌を集めるので、当日売られた本に一通り目を通すことになります。あまりそういう意味で気になることはなかったんですが、ここ1、2年ですかね、修正をすることがぽろぽろ出てくるようになりました。何が変わったのかと考えると、やっぱり印刷段階でのチェックが甘くなってるのではないかなという印象を持っております。

 先ほど武川さんのほうから印刷屋さん同士で調整し合って研究されてるというお話を聞いたんですけども、印刷所組合に入ってない新規の印刷屋さんもだいぶ増えてきている状況もあり、そういったコンセンサスみたいなものが伝わりきってない、ずれてきてしまっているんじゃないか、という感覚を持つようになりました。というのが今のうちの現状です。

2008年10月30日木曜日

赤ブーブー通信社 〜現場からの発言〜

コミックシティは女性向けに強いイベントなので、必然的にチェックの対象も女性がほとんどということになるんですが、女性向けは男性向けに比べて、特に「わいせつ物」というものの判断に対して「対岸の火事」、自分たちとは直接関係ないと思ってる節があります。

 この5年くらいはアピールはしてきたつもりなんですが、おととしの秋くらいにあることに気が付いたんですけど、どうも18禁の表示が表紙にされていないような気がするんですね。しばらく様子を見ていて去年前半、とあるシティの時に実際に18禁表示してますかと、サークルの間をうろうろと周ってみたんですね。2ブロックくらい周ったところで疲れ果てたんですけど(笑)、それくらい、もう目に見えて18禁の表示をしているサークルの数が減っている。

 18禁表示というのは、成人指定であるとかR18であるとかアダルトオンリーであるとか……を表紙に印刷してますか、ということですが、されていないものが結構多くて、つまりそこのところが、「意識が低い」とかそうじゃなくて、「ない」んだなと。うちでは去年の10〜11月くらいから18禁表示を入れましょうよというアピールを始めたんですけれども、その直後に「研究会」報告が出たわけで、3月の春コミから全サークルに、18禁の表示を入れましょう、入れるところから始めようというプリントを配布しております。

 あと18禁のカード。男性向けイベントに行かれる方はご存じかと思うんですが、18禁の作品があるサークルはこれを提示してくださいと、主催者側からカードを配られることがあると思うんですね。女性向けでは珍しいんじゃないかと思うんですけど、HARU COMIC CITY、SUPER COMIC CITY以後のイベントすべて、必ず入れるようにしております。

 今のところはサークル単位で、表紙に18禁の表示を入れてくれればいいよと、なければPOPを立てるとか、ポスターを作ってもらうとか、分かりやすいようにしてください、であれば18禁カードは必要ないです、自由にやっていただいても結構です──という扱いになっております。一部には、18禁のあるサークルは18禁表示を全部出した方がいいんじゃないか、その方が統一して見やすいんじゃないかという意見もあったりしますので、それについては現状様子見で模索している段階ですね。

2008年10月29日水曜日

コミケット準備会 〜現場からの発言〜

パンフレットにコミックマーケットの「アピール」を載せてあります。これは受かったサークルさんも、落ちたサークルさんも、全サークルさんに向けて送っている文章です。こちらに「性器の露骨な描写」とありまして、準備会では「性器の露骨な描写」に修正を入れてもらうように心がけております。いろいろな修正の仕方がありますが、準備会としてはこれを基本として修正してもらうように指導しております。

印刷所組合さんとかいろんなところから話は来ますが、修正する場合はこれを、という話にしています。読んでもらえれば分かりますが、いろいろな修正の仕方があったり、刑法175条だけでなく、児童ポルノ法とかもあります。ですので、一度こちらを読んでもらいまして、どういう風に修正していけばいいのかを確認してもらえばと思っています。

 同人誌即売会というものは対面販売、つまりサークル1つ1つが店子であると、お店でありますと、強くわれわれ言っております。対面販売ですから、参加者さんが来て、その人が18歳以上に見えるか以下に見えるか、その人の主観もありますが、どう見ても18歳以下だなと思った方には頒布をやめてくださいと促しております。ゾーニングを個々のサークルさんが守っていただくことによって、18歳以下の方には頒布しない、見せないということもわれわれが訴えているところであります。

 実際に東京ビッグサイトの方や東京都の方から「どういう風に行ってますか」と聞かれた時にこの話をしています。「性器の露骨な描写」については修正してますよ、サークルさんにはしっかりと、相手を見て、頒布してもらっておりますと。この2つを基準に考えてもらうことをきょうも話をしていきたいと思っています。


【コミックマーケットの「アピール」】

当日のパンフレットに掲載された「コミケットアピール71」の該当箇所は、「(1)『性器の露骨な描写』があるものをワイセツ図画とし、持ち込み、頒布は禁止する。(2)性表現の基準は『商業誌』レベルのものとし、ワイセツ図画に該当する画の部分には、修正を行う。(3)修正は白抜き、黒ベタ、濃いトーンなどで行う。薄いトーン、さらに強調される形での修正は不可」──など。

2008年10月28日火曜日

メロンブックス 〜現場からの発言〜

普通の本屋で売っている商業誌、それに対する同人誌という個人出版的なものを取り扱うに当たって、どのような感じで18禁的なものに対応していくのかということですが、弊社の基準では、明確な基準としては、性器描写に関してぼかしや修正が入っていれば基本的にはOKということで対応させて頂いております。「こういう場合はこうする」的なものは、ノウハウとしてきちっとガイドラインとして10項目くらい設けておりまして、作品が来た段階でガイドラインに照らし合わせて、18禁、一般に分けさせていただいています。

 武川さんがおっしゃってましたが、印刷会社で18禁に関してはきちっと対応してらしてまして、書店では対応済みのものが入荷してくることになるので、記憶の中では今まで大きな問題になったことはないです。ですがそういう現状に甘んじることなく、同人誌を発信していく書店として、今後も社会の動きに留意して、ガイドラインや自主規制的なものを随時深めていっているところです。

市川孝一さん*7(コミケット準備会/COMIC1準備会) パンフレットにコミックマーケットの「アピール」の抜粋*8を載せてあります。これは受かったサークルさんも、落ちたサークルさんも、全サークルさんに向けて送っている文章です。こちらに「性器の露骨な描写」とありまして、準備会では「性器の露骨な描写」に修正を入れてもらうように心がけております。いろいろな修正の仕方がありますが、準備会としてはこれを基本として修正してもらうように指導しております。

 印刷所組合さんとかいろんなところから話は来ますが、修正する場合はこれを、という話にしています。読んでもらえれば分かりますが、いろいろな修正の仕方があったり、刑法175条だけでなく、児童ポルノ法とかもあります。ですので、一度こちらを読んでもらいまして、どういう風に修正していけばいいのかを確認してもらえばと思っています。

 同人誌即売会というものは対面販売、つまりサークル1つ1つが店子であると、お店でありますと、強くわれわれ言っております。対面販売ですから、参加者さんが来て、その人が18歳以上に見えるか以下に見えるか、その人の主観もありますが、どう見ても18歳以下だなと思った方には頒布をやめてくださいと促しております。ゾーニングを個々のサークルさんが守っていただくことによって、18歳以下の方には頒布しない、見せないということもわれわれが訴えているところであります。

 実際に東京ビッグサイトの方や東京都の方から「どういう風に行ってますか」と聞かれた時にこの話をしています。「性器の露骨な描写」については修正してますよ、サークルさんにはしっかりと、相手を見て、頒布してもらっておりますと。この2つを基準に考えてもらうことをきょうも話をしていきたいと思っています。

2008年10月27日月曜日

虎の穴の報告 〜現場からの発言〜

当社が同人誌販売を始めてから10年近くたっていますが、当然、始めたころからあらゆる基準とかが決まっていたかというと、まったくそうではありません。例えば印刷所様や即売会様との関係であったりとか、流れの中をさまよいながら、だんだんと形作られ、今もまだ社内的にもすべてが確定しているわけではない中で、それでも基準を決めながら業界全体をよりよくしていきたいというつもりで同人誌の販売をやらせていただいております。現段階で14店舗構えており、全店舗で同人誌を販売しています。

 作品をお預かりする際の基準を説明させていただきますと、作品をまずいったん見せていただくところからスタートしまして、法的な基準を遵守しながら、作品の内容のチェックや、作品の入荷後に問題が発生した場合の対応をしています。ただ表現基準が非常にあいまいであったり、自分自身もとらえ方のすべてが合っているのかというと、なかなかそうではないなという認識の上で何重かのチェック項目を設けています。ただ、それでも抜けてしまったり、もしくはサークル様に分かりづらい部分があるということも認識していますので、指摘をいただきながら進めています。

 書店の販売スタイルも徐々に変わってきていますし、業界全体の状況も移り変わっていることを、ここで6年間働いて肌で感じる部分は非常に多くあります。作品の中身にまで踏み込んでお話する時間はないですが、そういったものも含めて変わりつつある中で、われわれもサークル様に訴えていかなければならない部分が出てきたかなというところもありますし、印刷所様との連携もより強く持っていかなければいけないのかなという認識もしております。

 やはり作品が生まれる場所としては即売会という場所が非常に大きく、われわれも即売会に出た作品を基本的にお預かりしていますので、取り扱いの基準や作品の紹介に当たって、即売会様の基準を一緒にお話させて頂いたり、サークル様を通じて、その段階で止められないかという話をしています。

 実例としてあったのは、表現的に難しいとしてイベント側で販売差し止めになったものがあり、書店でもそれは販売できないだろうと。基準が単独だと思われがちではありますが、全体で考えていかなければならない課題であるという認識の上で、サークル様と一般のお客様に不利益にならないような形というのを求めていきたいと考えております。

2008年10月26日日曜日

日本同人誌印刷業組合の報告 〜現場からの発言〜

日本同人誌印刷業組合には全国で29社参加しています。コピー誌を除くオフセット印刷などの同人誌の製造量のうち、組合が占めている量というのは80〜85%だと思います。

 印刷所と(表現の)修正ということですが、コピー誌は別として、同人誌は印刷所を通過しないと陽の目を見ない存在であると。誤解を恐れずに言えば、われわれの修正基準をクリアしなければ発行されないことになるわけですね。「花のお江戸に出たければ、箱根の関所を通らなければいけない」ということになるわけで、それだけ重い位置にいるのだと思っています。

 修正基準は、やはり印刷所は基本的にはコミックマーケットの基準が頭にある。それがいいか悪いかは別として、現実問題として一番分かりやすく、浸透し、かなり守られていると思ってます。私自身も、原稿が目の前に来た時、コミックマーケットがこれをどう考えるのかということについては、たぶん100%近く分かっています。

 補足すると、われわれは日ごろ検討・学習していて、例えば同じ原稿を組合の全社に配って、それぞれに修正してもらって、それを印刷して、全社に配布して、「なるほど、他の印刷所はこんな風にしてるんだな」ということを確認しあう、そんな風にしてすりあわせていくということもやっています。

 確かにほんとに露骨な、わいせつな文書・図画になるようなものもあったりするわけですが、「これはうちでは印刷できないよ」とはねつけるということは基本的にやめようということにしています。はねつけてしまうとほかの、コミックマーケットの基準を知らない印刷所に持ち込まれて印刷されてしまうということになってしまう。

 ですから、どこが基準から外れるのか指摘して修正してもらう、あるいはこちらが修正して印刷をする。時には「ウチではコミックマーケットの基準に合っていてもとても印刷できない」と、もっとソフトでなければと思っている印刷所もありますから、その場合は印刷所同士で「おたくだったら刷れますよね」と回し合ったりするようなこともしています。

2008年10月25日土曜日

シンポジウムでの同人誌生活文化総合研究所の報告

「研究会」は2006年4月10日に、警察庁の生活安全局長の諮問機関として作られました。設立趣旨は「子どもを取り巻く性や暴力に関する情報の氾濫(はんらん)やゲームやインターネットにのめり込むことの弊害について幅広く議論し、問題点を整理して社会に問題提起するとともに、その改善策を探ろうとするもの」ということになっています。

 当時の生活安全局長の竹花豊さんが実質責任者ということになります。竹花さんは広島県警(本部長)の時の暴走族の撲滅運動などが評価されて、東京都の副知事に引っ張られて、2年間くらいお務めになられて、新宿・歌舞伎町の浄化運動や、都青少年健全育成条例の改定などに携われて、05年に警察庁に戻られて生活安全局長ということになってます。取材などでも発言が多くて、Webとか見ていだくとこの方の発言を拾うことができるんですけども、竹花さんが返し述べられてきた問題意識というのが「研究会」に直結しているようなところがございます。

議論の推移なんですけども、最初は携帯電話の話がメインでした。要するに子どもが勝手にアクセスをして、いわゆる有害なものにアクセスできるのはイカンではないかということで、この部分についての議論がずっとあり、9月の段階で中間報告が出まして、これが携帯電話に関してフィルタリングをし、有害な情報は見せないようにするという提言が出ました。

これを受けて東京都などがフィルタリングサービスの普及に関する説明会を行ったりとか、総務省が携帯電話事業者を呼んで、フィルタリングサービスについて親の意思確認をしなさいと、そうしないとインターネットサービスを受け付けないようにしなさいという話になりまして、そんな形でいま対応が進んでいます。

議論の後半はゲーム、漫画になっていきます。第6回が10月に行われまして、この時はゲームの話が中心で、コンピュータソフトウェア倫理機構(ソフ倫)の方が呼ばれて、その話をしたと。その中で、ソフ倫さんは自分の管理しているソフト以外について、どう考えても同人誌と同人ソフトのサークルのことを指して「無審査」の制作グループがいますよと、約1万1000はいるんじゃないですかねえという話をされています。この根拠がよく分からないのですが、コミケット(コミックマーケット)にサークル参加しているいわゆる「200番台」と言われている男性向けとかギャルゲーとか同人ソフトのサークル数を抽選率で割り戻すとぴったりになるんで、よく分かってる方がいらっしゃるんじゃないかと思うんですけども(笑)、そんな話がありました。

その後竹花さんのほうから具体的な実現方策ということで、現状追認から単純所持の禁止まで、幅広くさまざまなレベルの提案が出ています。警察庁のサイトに細かい資料がいっぱい載ってますので、興味のある方は見ていただければと思います。

その議論の中で、松文館の「密室」の裁判、これはわいせつ表現の問題ですけども、やはり「わいせつ」の判断は非常に難しいということがあり、これは竹花さん自身も述べられていることですが、わいせつの軸として子どもを性の対象にするコミックに対応するのは難しいんじゃないかというお話をされていて、別の規制が必要なんじゃないかというお話をされてるのがポイントかと思います。

第7回、11月の研究会なんですけども、前半はテレビゲームが与える影響ということで学者さんがお話をされてるいるんですが、何が一番影響あるかというと「まず視力ですね」と非常に空気の読めない発言をされてまして、いやそれであんた呼ばれてるんじゃないんだけど、と議事録を読んで笑ってしまったんですけども(笑)。

前半はそんな話ですが、後半は同人誌の話も結構出てきて、パンフレットに竹花さんの発言をゴシックで引用してますけども、要するになんか、よく分かんない連中がやってるんだよね、という感がありありと分かるというところがあります。その辺が問題提起のきっかけにもなってるわけなんですが、その中で法的規制についていろいろと議論があった中で、委員会全体としてはガチガチの法規制をしましょうという雰囲気ではなく、とりあえず問題提起をしました、関係者の自粛を促したいという話になっています。

最終的に報告書が12月、コミケの直前に出まして、漫画とゲームには大部なページが割かれていて、研究会の回数とページ数がまったく合わないという不思議な構成になっているわけですけども、その中でいろいろな話がります。特に報告書の中で、はっきりと、同人誌等即売会などについても、イベントの主催者に対して、子どもを性行為の対象とするコミックなどを18歳未満に売らない対策の強化を求めていくべきである、というようなことが記載されております。

こういう形で同人誌あるいは同人誌即売会というのが公的機関の報告書にはっきりと載ることは前例がないことでして、今回のシンポジウム開催の経緯にもなっているわけです。

2008年10月24日金曜日

「同人誌と表現を考えるシンポジウム」(2007年5月19日)での主催者挨拶

本日はご多忙のところ非常に多くの方々にご参集いただきましてまことにありがとうございます。

私は新潟で「ガタケット」という同人誌即売会を主催しております。同人誌に関するさまざまな問題を解決するゆるやかなネットワークとして「全国同人誌即売会連絡会」というのを立ち上げ、ここ何年間にわたって表現や著作権、わいせつ問題についていろいろと勉強会を開催して参りました。しかし今回、警察庁の「研究会」で、漫画の同人誌が初めて公の報告書に取り上げられる事態に至りまして、「同人誌と表現を考える会」というものを発足し、同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合の3団体で今回のシンポジウムを開催する運びとなりました。

 「研究会」が、特にバイオレンスと性表現に関して、18歳未満に対してどういうゾーニングを設けているのかということを課題にしていますので、それに対してわれわれが今どうしているのか、今後どうしていくのかに関するシンポにしたいと思います。ですので、2次著作に関する問題等は今回一切触れる時間がないことをご了承ください。

 ここにご参集のサークルさん、一般参加者さん、印刷業組合さんはご存じのように、われわれ同人界はかなり昔から、性表現に関する規制には厳しく対応して参りました。ですが、どうやらアピールが少し足りていなかったのかもしれないなという今回の一件なんですが、第1部は同人誌関係者による、今までわれわれがどういう規制を行ってきたか、そして今後どうやっていけばいいのかということを中心に、第2部は有識者の方々に、刑法175条*2、児ポ法、「研究会」や青少年健全育成条例とか、最近あまり話題にのぼっておりませんが、青少年有害社会環境対策基本法案、これはまだ案のままでどうなっているのかはっきりしませんけども、そういったことを含め幅広く性表現に関する現状と今後についてを語っていただくことになっています。

2008年10月23日木曜日

同人誌と表現を考えるシンポジウムが開催

2007年5月19日「同人誌と表現を考えるシンポジウム」が東京・池袋で開かれた。

警察庁「バーチャル社会のもたらす弊害から子供を守る研究会」(以下、「研究会」)が昨年12月にまとめた最終報告書では、「同人誌等の即売会についても、イベントの主催者に対し、子どもを性行為等の対象とするコミック等を18歳未満の者に売らないための対策の強化を求めていくべきである」と明記された。漫画同人誌の性表現について直ちに法規制を求める内容ではないが、警察の報告書に同人誌が取り上げられること自体が異例とされる。

 非常設の即売会に足を運ばなければ入手できなかった同人誌だが、専門書店やネット通販の発達で比較的容易に購入できるようになるなど、同人誌が一般に浸透しつつある現状が報告の背景にあると指摘されている。シンポジウムは、即売会や印刷業者らの団体が主催。同人誌とその表現の現状を見直し、今後も同人誌ならではの自由闊達な表現を守るためにどうすべきか、同人誌の現場の関係者や有識者が集まって話し合った。

約900人が参加者のうち、半分がサークル参加者(つまり同人誌の実際の描き手)、2〜3割が一般参加者(同人誌の受け手)で、即売会スタッフや印刷・出版関係者も少なくなかった。

シンポジウムでは即売会主催者や印刷所による自主的な修正などが紹介されたが、一般にあまり知られていないため、「もっと同人界の取り組みを発信していくべきだ」という意見が多かった。

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